国際関係論 おすすめの研究者と論文を紹介 ロバート・コックス
みなさん、こんにちは。ichiです。
今日は、国際関係論を勉強したい方々へ、おすすめの本と研究者を紹介させていただきます。先に研究者の紹介から。
その研究者とは、
ロバート・コックス (Robert W. Cox) (1926~2018) というカナダの国際政治学者です。
カナダのトップ、マギル大学で歴史学の修士号を獲得後、国際労働機関 (ILO) 職員を経て、研究者となりました。
コロンビア大学、ヨーク大学といった世界の名門大学で教鞭をとられ、昨年2018年にお亡くなりになりました。
この方の研究をおすすめする理由は、
著作の邦訳が存在しないことです。
論文はいくつか訳が存在しますが、単著、共著、編著(あわせて8作)いずれも日本語になっていません。
英語をがんばる必要はありますが、日本語で研究をしている人があまりいません。
僕も国際関係論の英語の教科書を2、3冊読みましたが、どの教科書にも必ず名前が登場します。
そのくらい海外では名の知れた研究者ですが、日本語文献が少ないのです。
つまり、日本に広く周知するチャンスが残された研究者の1人ということです。
その研究が広まったら、
そのうち、翻訳を出版するということになるかもしれません。
ただ、ネックもないわけではありません。
彼のアプローチは、アントニオ・グラムシから影響を受けた批判理論と呼ばれるものです。
正直、流行りのアプローチではありません。
著作もほとんどが、20世紀末のものです。
しかし、非常に学ぶところの多い研究者であることは間違いないでしょう。
まずは、日本語訳の論文から読んでみてはどうでしょうか。
この本の中に邦語論文が登場します。
「社会勢力、国家、世界秩序ー国際関係論を超えて」(遠藤誠治訳)という題です。
問題解決理論と批判理論という、有名な2項対立に言及しています。
詳細はまたの機会に。